13日の東京株式市場は、日経平均株価が値上がりして推移しています。きっかけは前日12日のニューヨーク市場でハイテク関連銘柄が買われた流れ。その追い風を受けて、東京でも半導体関連を中心に買い注文が広がりました(出典:NHKニュース(経済))。
なぜこれが読者に関係あるのか。半導体はいまや日経平均の「エンジン」の一つで、この分野が動くと指数全体の体感温度が大きく変わるからです。今日はその連動の仕組みを、少し引いた視点から眺めてみます。
なぜ日本の半導体株はNYを追いかけるのか
東京市場が朝から半導体株高で始まる日、多くは前夜の米国市場が起点です。半導体は世界で分業されるグローバル産業なので、米国のハイテク企業が買われると「川上の製造装置や部材を担う日本企業にも恩恵が及ぶ」という連想が働きます。いわば、遠くの港で上がった波が、時差をおいて日本の湾内に届くようなものです。
ただ、ここで私が意識しているのは「追い風」と「自力の推進力」を分けて考えることです。今日の上昇の主因が海外発の連想買いなら、それは風による前進であって、風向きが変われば勢いも変わります。指数が上がった事実そのものより、“何に押されて上がったのか”を確認する習慣が、慌てないための羅針盤になります。
へえ、と思う半導体の歴史の話
ひとつ豆知識を。半導体業界には「シリコンサイクル」と呼ばれる好不況の波が古くから知られています。需要と設備投資のタイミングがずれるため、数年周期で活況と冷え込みを繰り返すという経験則です。1980年代から語られてきた古参の考え方で、いまも投資家の頭の片隅にあります。
つまり今日の半導体高も、長い波のどの位置にいるのかで意味合いが変わります。単日の値動きを追うより、「この一年で装置需要は増える局面か、調整局面か」という構造の話に耳を傾けたい。派手な一日の裏側で、静かに進む潮の満ち引きこそ本題だと私は考えています。
AIの土台としての半導体
先日、私はブルーカラーの雇用が「AIは産業革命に匹敵する」と語られる中で活気づいている、という記事に触れました。実はその話と今日の半導体高は地続きです。AIの計算を支えているのが高性能半導体であり、データセンター投資が続く限り、川上の需要は語られ続けます。働き方の変化も、株価の連想も、根っこは同じ技術トレンドにつながっているわけです。
もっとも、期待が先行しやすいテーマでもあります。私は「注目度が高い分野」として材料を追いますが、特定銘柄の売買を勧めることはしません。大切なのは、追い風の日ほど自分の立ち位置を確認することだと思っています。