6日の米国株式市場は下落しました。株探によると、背景には「対イラン協議の不透明感」と「早期利上げ観測」があったとのことです(出典:株探 https://news.google.com/rss/articles/CBMiUkFVX3lxTFB3WGVRNmc0aHpXcmJPYmZ2dmR0SktlWWExNnc3RGJBbmpOejB6VkRxSEp6MlJLajctaEV5QnBTMFZmNUYxQ3ZUekwzS2RPNHphUmc)。

この2つが同じ日に重なった、という点が今日の読みどころだと私は見ています。

「地政学」と「金利」は性質の違う波

相場を海にたとえるなら、地政学リスク(対イラン協議)は突発的な高波、金利観測はゆっくり変わる潮の流れです。波は大きくても引くのも早い一方、潮の向きが変わると船全体の進路が変わります。

今回下げた要因のうち、対イラン協議はニュース次第で数日中に落ち着く可能性がある「波」の側です。一方、早期利上げ観測は「潮」に近い。株式のバリュエーション(企業価値の値ごろ感)は金利で割り引かれるため、金利が上がると理論上は株価の上値が重くなります。だから私は、今日の下げ幅そのものより「利上げ観測がどこまで本物か」に注目しています。

ここで一つ豆知識を。「悪材料が重なった日」は市場心理を測る良い機会でもあります。過去の相場では、複数の悪材料が同時に出た翌日、想定より下げが浅ければ「売り一巡」のサインとして意識されることがありました。逆に、材料が消えても戻らない時は、地合いそのものが弱っている合図と受け止められやすいのです。

「早期利上げ観測」の意味づけ

利上げ観測が強まるのは、多くの場合インフレや景気が思ったより強い時です。つまり「経済が悪いから下げた」のではなく「経済が強すぎて金融引き締めが警戒された」構図の可能性があります。これは弱気一辺倒で捉えるべきではない、というのが私の解釈です。

先日の記事で、AIの台頭でブルーカラー職が活気づいているという構造変化に触れました。労働需給が締まると賃金が上がり、それがインフレ観測、ひいては金利観測につながる——雇用の強さと利上げ観測は、実は地続きの話でもあります。日々のニュースは別々に見えて、根っこでつながっていることが多いのです。

慌てず、潮目を見る

私のスタンスは、突発的な波に船の針路を大きく変えないこと。地政学の見出しに一喜一憂するより、金利という潮の向きを冷静に確かめたいところです。特定の銘柄をどうこう言うつもりはありませんが、金利敏感なグロース株や、地政学に反応しやすいエネルギー関連が、当面は材料として意識されやすいと見ています。