29日の東京株式市場は、午後に入って半導体関連銘柄への売り注文が一段と強まり、日経平均株価が値下がりしました。ここ数年、相場を引っ張ってきた主役だけに、下げると指数全体への影響が大きくなります。半導体株の動きは、いま多くの投資家の関心事です。(出典:NHKニュース経済 https://news.web.nhk/newsweb/na/na-k10015189601000)

主役ゆえに揺れやすい

半導体株は、AI需要への期待を追い風に相場をけん引してきました。ただ「けん引役」ということは、上げるときも下げるときも指数を大きく動かすということです。今回のように午後から売りが強まる展開は、海外市場や為替、先物の動きに反応した短期の資金移動であることが少なくありません。

私の見方では、今回の下げは業績そのものが崩れたというより、期待が先行して積み上がった水準を一度点検する「利益確定」の色合いが濃いと考えています。相場が晴天続きだと、少しの雲でも敏感に反応するものです。慌てて全体の天気を判断するより、雲の種類を見極めたいところです。

「へえ」と思う半導体の景気循環

ここで豆知識を一つ。半導体業界には昔から「シリコンサイクル」と呼ばれる好不況の波があると言われてきました。おおむね数年周期で需要と供給がずれ、価格が上下する現象です。設備投資に時間がかかるため、需要が増えて工場を建てた頃には供給過剰になり、逆に不況期に投資を絞ると次の好況で品不足になる──こうした「時間差」が波を生みます。

つまり半導体株の変動性は、AIブームという新しい話だけでなく、業界に構造的に組み込まれた性質でもあるのです。今日の一日の下げを「ブームの終わり」と読むのは早計で、むしろこの波の中でどの局面にいるのかを見る視点が大切だと私は考えています。

昨日までの記事では、AIの台頭でブルーカラーの仕事に活気が出ている話に触れましたが、AIを支えるのはまさに半導体という物理的な土台です。ソフトの熱狂とハードの現実、その両輪を見ておくと相場の解像度が上がります。

慎重に、でも逃げずに

一日の値動きに一喜一憂しないのが私のモットーです。今回のような下げは、相場が過熱していないかを測る体温計のような役割も果たします。売買の推奨はしませんが、半導体関連は引き続き相場全体の方向感を左右する材料として意識されそうです。急な波が立ったときこそ、羅針盤を確認しながら進みたいですね。