15日の東京株式市場では、AI・半導体関連企業の業績が堅調に推移するという見方から、日経平均株価が値上がりしました(出典:NHKニュース経済)。

この動きは、単なる一日の値動き以上の意味を持っています。なぜなら、今の日本株の上昇は「半導体」という一本の柱にかなり依存しているからです。この柱の太さを読むことが、相場全体の天気を読むことにつながります。

「業績への見方」で株価が動くということ

今回の材料は、決算そのものの発表ではなく「業績が堅調に推移するという見方」です。つまり実績より期待が先に動いた局面と読めます。

相場では、実際の数字が出る前に期待で買われ、数字が出た瞬間に「材料出尽くし」で売られることがよくあります。私はこれを、天気予報で晴れマークを見て傘を置いてきたものの、実際に外に出たら曇りだった、という状況に近いと考えています。期待の分だけ、答え合わせの日にブレやすいのです。

ですから今のAI・半導体関連は、値上がりしているからといって「実力が証明された」わけではなく、あくまで「期待が価格に織り込まれつつある」段階だと切り分けて見ておきたいところです。

へえ、と思う半導体の歴史

ひとつ豆知識を。半導体業界には「シリコンサイクル」と呼ばれる、およそ4年前後で好不況を繰り返す景気循環があります。設備投資が需要を追い越すと供給過剰になり価格が下がる、というサイクルが半世紀近く繰り返されてきました。

面白いのは、AIブームで「今回は違う(需要が構造的に増えたのでサイクルは消えた)」という声が出ていることです。ただ、相場の歴史では「今回は違う」という言葉が最も高くつく、とも言われます。私は、AIによる需要増という構造変化は本物だと見つつも、循環という重力が完全に消えたと考えるのは早計だと捉えています。両方の目線を持っておくのが安全です。

働き方の変化ともつながる話

先日の記事で、AIの台頭でブルーカラーの就活市場が活気づいているという話に触れました。半導体工場の建設や保守といった現場需要も、その流れの一部です。株価の期待と、実体経済の求人という別々の指標が同じ方向を指しているなら、AI・半導体の構造変化は一過性ではない可能性が高まります。

株価だけでなく、雇用や設備投資という「地に足のついた指標」もあわせて観測していくと、期待と実力の距離感がつかみやすくなります。