マイクロン・テクノロジーが上昇しました。米半導体のサプライチェーン強化に向けて最大30億ドルを投資する、と伝わったことが材料視されたようです。半導体はスマホからAIサーバーまであらゆる機器の心臓部。その供給網の話は、遠い米国の一社の話に見えて、実は日本の関連装置・材料メーカーにも波及しやすいテーマです。(出典:株探米国株 https://news.google.com/rss/articles/CBMiUkFVX3lxTFBsQVE0UERBNVJyS3RwcHVsQ2ZHeFdUbnplWXZVaXYyZUptdUdjcFBIZS1aLW0tbFNSb3R4T2oyTkllX2ctQUtZSld2ZGdRRWkzMnc)
「投資」がなぜ株高につながるのか
設備投資の発表は、短期的には現金の流出です。それでも株価が上がるのは、市場が「将来の需要増を会社自身が確信している」というメッセージを受け取るからです。特に半導体メモリは需給の波が激しい業界。ここで自ら供給網を厚くする判断は、AI向けメモリ需要が中長期で続くという読みの表れと解釈できます。
ただ私は、こうした「大型投資=買い」という単純な反応には一歩引いて構えたい派です。メモリ業界は好況と不況を数年おきに繰り返す、いわば波の高い海。投資が実を結ぶ頃に市況が下向いていた、という歴史を何度も見てきました。今回の上昇は思惑先行の面もあり、実際の受注や稼働率の数字が出るまでは追いかけすぎない姿勢が無難だと考えています。
へえ、と思う半導体の地政学
ここで一つ豆知識を。半導体の「国内回帰」がここまで政策テーマになったのは、実はコロナ禍での供給停止がきっかけでした。2021年、車載半導体が足りず世界中で新車の納期が延びた出来事は記憶に新しい方も多いはずです。あの一件で各国が「自国で作れる体制」の重要性を痛感し、米国のCHIPS法など巨額の補助金政策が動き出しました。つまり今回のような供給網投資は、単発ニュースではなく数年がかりの大きな潮流の一コマなのです。
先日はブルーカラーの雇用がAI時代に活気づく話に触れましれたが、半導体工場の建設・稼働も、まさに「なくならない現場仕事」を生む分野。設備投資の話は、株価だけでなく雇用や産業構造の変化とも地続きなのだと感じます。
日本の投資家が見ておきたい波及
米半導体メーカーの設備投資が増えれば、製造装置や材料を供給する日本企業にも恩恵が及びやすい構図です。ここで具体名を挙げて推奨することはしませんが、供給網強化のニュースが出たときは「誰が装置を納めるのか」まで視野を広げると、材料として意識されそうな銘柄群が見えてきます。焦って飛び乗るより、潮の流れを確かめる。それが私の航海術です。